少しだけピアノを弾ける僕が、男の子にピアノを習わせている家庭に伝えたいこと

ピアノを弾ける男子はかっこいい!ってよく言われますが、男子がピアノの習い事を続けるのはなかなか難しいんです。でも本当に弾けて損はない!男の子にピアノを習わせているご家庭に伝えたいことがあります。

はじめに

僕は3歳の頃にヤマハ音楽教室に通い始め、小学6年生まで個人ピアノ教室でピアノを習いました。
その後、中学校の三年間はヤマハ音楽教室でエレクトーンを習ったので、10年以上習い事をしたことになります。
高校に入ると、部活動(サッカー部)で休みが全くなくなったため、母親に直訴してピアノはやめました。怒られることもなく「まあここからはあなたが決めなさい」って感じだったと記憶しています。

そんな僕もいまや父親になりましたが、ピアノにはほとんど触れていません。
ただ全く弾かないかといえばそうでもなく、一年に一曲ぐらいは練習して弾けるようにしています。もちろん簡単な曲に限りますが、それでも世間一般的には「ピアノが弾ける男性」と判断されます。
今回の記事を読んでいただくにあたり、

僕が小さい頃、どれぐらいの量を練習して、
今現在(37歳)どれぐらい弾けるのか

という点は、ひとつの判断材料になると考えたので、数年前に記録撮影した動画を掲載します。

篤姫(atsuhime) – YouTube

記録用に撮影

くっそ普通!
ごくごく普通の「昔ピアノ習ってた」レベルです。
10年習ってこのレベルか…と自分でも情けない限りですが、高校生から練習をやらなくなったので、まあそりゃそんなにピアノさんも甘くないよな…ってことで。

ということでこんなレベルの僕ですが、小さい頃にピアノを習ったときを振り返り、男の子にピアノを習わせているご家庭に伝えたいことについて、おこがましくも書いてみたいと思います。

ピアノが弾ける男はとにかくカッコいい

まずは、ピアノを弾ける男がどれだけかっこいいか、見て聞いて感じた方が早い!
さきほどの僕の凡庸な動画も相まって、どの動画もカッコいいです!
習いたての子供たちに、クラシックの超絶動画を見せてもあまりピンとこないかな、と思ったので、別の切り口で動画を集めてみました。

“夢と希望のパレード” (Full ver.) performed by H ZETTRIO 【Official MV】 – YouTube

H ZETT Mさんのピアノトリオ・H ZETTRIOです。
解散したPE’Zのヒイズミマサユ機さんに似ている方の活動ようですね。
いまはこういった動画がいくらでも見られるので、本当に羨ましい。子供たちがピアノを習いながら、漠然とでも「練習の先にはこんな世界があるんだ」というのを感じれるのは、とてもいいことです。
いまは課題曲を練習する日々だけど、いつか俺こんなカッコいい感じで弾くんだ!みたいに。

【MV】→Pia-no-jaC← / Für Elise (Ludwig van Beethoven) – YouTube

→Pia-no-jaC←による、ヴェートーベンの有名曲『エリーゼのために』のアレンジ。
特にエリーゼのためにを知っている子供、弾ける子供たちに聞かせてあげると、ピアノには無限の可能性があるんだということを感じてもらえると思います。

【BARKS】清塚信也 「Baby, God Bless You」演奏 – YouTube

ドラマ「コウノドリ」でも有名になった曲です。
子供のうちはクラシックの名曲よりも、メロディーラインがしっかり取れる曲の方が、ピンときたりするんですよね。

大橋トリオ / Be there feat. BONNIE PINK – YouTube

大橋トリオさんの小気味好いピアノが印象的な曲です。
子供たちには、ピアノは弾くだけじゃなくて「一緒に歌えるんだよ」ってのも、あらかじめ教えてあげたいですね。歌うことが好きな子供は、ピアノが苦行じゃなくなります。

やはりピアノを習う男の子は、女の子に比べて圧倒的に数が少ないので、ピアノを弾く男子はかっこいい!の以前に、ピアノを弾く男子はなかなかいない!というのが現状です。

男の子がピアノの習い事を続けるのは、「本人の根性+厳しいレッスン環境」が必要です。
上で紹介したかっこいいプレーヤーにはなれませんでしたが、楽譜を見て練習したらとりあえず弾けるレベルの僕が、当時を思い出しながら、男の子の気構えをお話しします!

小学生の間はとにかくがんばれ!

1年生になるまではヤマハ音楽教室に通っていました。
とにかく行くのが面倒臭くて、

「今日頑張ったらマクドナルドのフィレオフィッシュ買ってあげるから!」

という母親のニンジンだけを目当てに通っていました。マクドナルドにしたって毎回行けるわけでもないので、何曜日か忘れましたが、とにかく週一回のヤマハの日が大嫌いでしたね。
ただレッスン自体の記憶はというと、けっして嫌なものではなく、母親の目から見ても楽しんでいたとのことです。やめる前の発表会では、鉄琴でビートルズのオブラディオブラダを演奏したのを覚えています。

この段階では多くの子供が、好きか嫌いかっていう明確な線引きはできないと思うんですね。
熱心な家庭はすでにハードな練習に取り組むのかもしれませんが、子供たちがピアノに抵抗を持たず、音楽に親しむことが最優先の時期ではないかと。

恥ずかしがり期の到来

1年生に入学すると同時に、家の近所にある個人のピアノ教室に通うようになりました。
この教室の先生とはご縁があって、37歳になった今でも親しくさせていただいておりますが、それについてはまた後述します。

1年生になると男の子は、ピアノを習っていることが急に恥ずかしくなります。
保育園・幼稚園でも男子同士のコミュニティはあったはずなんですが、より子供同士のコミュニケーションが活発になる学校という場所では、男の子がピアノを習っていることが、えてして中傷の的になったりするのです。
やっぱりサッカーや野球、空手など、男の子っぽい習い事が優勢で、ピアノは肩身が狭いんですよね。

僕の体験で言うと、2年生の頃に音楽室で、僕がピアノを弾く場面がありまして。
いきさつは忘れましたが、多分僕がピアノを習っていることを知った同級生から、弾いてみてーって頼まれたんだと思います。
そこで当時僕が練習していた、ブルグミュラーの「タランテラ」を披露したのですが、これがまた同級生の反応が激うすで、 「あーなんかこいつ弾いてんなー」ぐらいの表情だったんですね。
僕としては家で練習しながら、いいメロディーだなー、とか上手く弾けてるなーとか、自分なりにタランテラという曲の良さを感じながら弾いていたので、同級生の薄い反応はかなりのダメージでした…

子供なりにピアノに自負心を持つ

そんな僕の考え方が変わったのは、ふとしたことでした。
当時ファミコンが登場して、スーパーマリオが一大ブームを巻き起こしていたのですが、ある日レッスンのときに先生が、右手だけで、あのおなじみの音楽を弾いてくれたんですね。

ミミミッドミッソッ

先生は何気なく弾いただけで、当時のことは覚えていないかもしれませんが、僕はそれがとても衝撃的で、家に帰っても練習曲を弾かずに、ずーっとスーパーマリオの最初のステージの音楽を、耳コピしながら弾いていました。
今考えたらおかしい話なんですが、
子供にとってピアノの世界って、先生や親から渡された楽譜の中だけって感覚もあったんですね。
ハノンやブルグミュラー、ツェルニーなど、教則本で練習を進めながら、子供にとってのピアノの習い事が、与えられた楽譜を練習して演奏する、単なる作業になっている場合があるのかなと。

ピアノに限らず、すべての楽器に言えることなんですが、僕の場合は、人気のあるゲームの音楽も、テレビの音楽も、全部この音階でできているんだ。そして僕はそれをピアノで演奏できるんだ!と感じた瞬間に、ピアノが弾ける自分がとっても誇らしくなったんです。

習い事をさせている親はそうでなくても、肝心の子供が、ピアノを作業だと思っていることは少なくありません。
たまにはゲームの音楽や、流行のポップスなどの楽譜を与えて、ピアノが弾けるアドバンテージについて、直感的に感じさせてあげるのも一つの方法です。

恥ずかしさと面倒臭さの向こう側へ!

小学生の期間、母親のスパルタな練習もあって、それなりに難しい曲を弾けるようになりました。
中学1年生になると同時に、ピアノ教室をやめてヤマハのエレクトーンコースに通い始めたのですが、はっきりいってなんでそうなったか覚えていません(汗)
親に諭されたのか自分がやりたいと言ったのか、あまり覚えていませんが、とにかく中学校に進学してサッカー部の練習頻度が高くなっても、習い事はやめませんでした。
これは多分、この時点で「弾くことが楽しい」と思えていたからでしょう。

うちの中学の男子の間ではとにかくサザンが流行りまして、音楽室で僕ともう一人ピアノを弾ける友人が伴奏して、まわりのみんなが涙のキッスとかya-yaとかを歌う図式が、いつの間にか作られていました。
これをみても分かる通り、
中学生になったら「男子のピアノ」は完全に受け入れられます。
周囲の見方が変わるのもそうですが、小学生の6年間レッスンを続けると実力もついてくるので、自分が弾きたい曲を弾けるようになってくる。つまり能動的にピアノを弾くようになっているのです。

新しい道に踏み出す

中学生にもなると、やりたいことがたくさん増えます。
受験もそうだし、部活動もそう。
いくらピアノを継続的に習ってレッスンしていても、他にやりたいことが見つかるのは不思議じゃありません。むしろ中学生たるもの、いろんなことに好奇心を持って臨んでもらいたい。
そして本気でやりたいことが見つかったとき、
小さい頃からずっと続けてきたピアノのレッスンと向き合う時が来ます。

僕の場合はそれがサッカーでした。
高校に入学するとき、簡単に言えばサッカーとピアノを天秤にかけたんですが、特に迷うこともなくサッカーを選択しました。
ピアニストを目指すなどおこがましいレベルでしたし、ある程度弾けるようになったので、ここまでやれたらピアノを習った甲斐があった、と自分と親で判断したからです。
同じサッカー部の同級生には、今もまだ現役のJリーガーがいますし、大学サッカー部の監督もいます。僕は芽は出ませんでしたが、サッカーの練習は一生懸命やったので、まったく後悔していません。

ただひとつ、ピアノ男子の先輩として伝えたいのは、
友達と遊びたいから、という理由だけではやめてほしくないってことです。
小学校高学年、中学生ともなると、友達付き合いに敏感になる年頃です。「常に友達の輪の中にいたい」という潜在的な意識が、ピアノに割かなければならない時間を疎ましく思ってしまう場合も少なくないでしょう。
僕にもそういう時期がありましたし、実際に小学校でも中学校でも、教室をさぼって遊んだことがあります。

でも振り返ってみると、そんなことで保てたものなんて、人生にたいした影響はないです。
あいつは付き合い悪いと、一時的に仲間はずれになることもあるかもしれません。ただそんなことより、ピアノを習って得た感性と、レッスンを続けた忍耐力の方が何倍も価値があります。
なので今ピアノを習っている男の子は、中学校を卒業するまで頑張ってピアノを続けよう!ふとしたときにピアノを弾いたり、友達とバンドを始めたり、人より少しだけ豊かな未来が待っているよ!

なによりピアノが好きな子は練習に没頭して、有名なピアニストやミュージシャンにもなってもらいたいです。
そのときは僕に焼肉おごってね!

男の子にピアノを習わせるご両親へ

例外なく1日30分以上隣に座る

ほとんどの場合、教室でのレッスンは週1回だと思います。
断言しますが、週1回のレッスンだけを長い間続けても、まったく弾けるようになりません。
教室よりも、毎日の家でのレッスンがはるかに大事です。
教室で先生に習ったことや宿題を、家で繰り返し練習する必要があります。
つまり、子供たちの練習が滞りなく行われるよう、パパママにも忍耐力と持続力が必要なのです。

私の場合は毎日30分間の練習だったんですが、母親が隣に座って30分間びくともしませんでした。
すでに母親より弾けるようになっていたので、とくに教わることはなかったのですが、隣の威圧感がすごくて、途中で止めたいというお願いすらできません。僕と妹が順番に練習したので、母親は合計1時間を、毎日僕ら兄妹のピアノの練習に割いていたことになります。

しかしこのぐらい徹底しないと、子供は間違いなくサボります。
これは我が子の練習を見ながら、痛感しています。
僕と妻が練習に付き添ってやる時間が少なく、教室で出された課題をさせてみても、なんとなくダラダラ弾いてるだけで、気がつけばピアノの椅子に座って本を読んでるってときもあります。
また言われなければピアノの練習をしないので、僕らが気づかない場合、練習をしないで「しめしめ」みたいな表情で1日をやり過ごす場合もしばしば。
子供にピアノをやらせるならば、自分も習い事をはじめるつもりで、子供に付き合ってください。

可能であればアップライトのピアノを

先に言いますが、これは必須な条件ではありません。
アップライトピアノは高い買い物になりますし、スペースの問題で家に置けない場合もあるでしょう。
しかしどうしても電子ピアノとピアノでは、鍵盤のタッチに差が出ます。
電子ピアノでは容易に出せた音が、ピアノでは出せないというケースは往々にしてあります。またピアノの前に座る重厚感は、電子ピアノでは味わいにくいです。
最近は性能の良い電子ピアノもたくさん発売されていますが、それを購入するとなると、それこそアップライトピアノが買えるぐらいの金額になってしまうんですよね。
グランドピアノが置けるというご家庭は、言わずもがな。音色が圧倒的に違います。

うちは物心着いた時には家にアップライトピアノがありました。
父親が出張で留守の間に、母親が独断で購入したんだそうです(笑)なかなか無茶をする母親ですが、僕がエレクトーンを始めた時も数十万するエレクトーンを購入してくれました。
けっして裕福な家ではなく、家も狭いもんでしたが、そんな狭い家にピアノとエレクトーンが一台ずつあるって、今考えたらなかなか異様な光景です(笑)

ただその二台を見るたびに、無意識に親の覚悟を感じていたんでしょうね。家での練習もそんなにサボらず、教室に通わなくなってからも、暇があれば触っていました。
エレクトーンはどこかの学校に寄付したんだったかな…記憶が曖昧です。ピアノは僕が結婚してからも実家においてあり、数年前に惜しまれながらも処分されました。

ピアノ教室の話

うちの息子はヤマハ音楽教室に通っていて、小学生になると同時に個人教室に移りました。
実はこの個人ピアノ教室、私が30年前に通っていたピアノ教室なんです!
30年前に僕と妹が通っていたピアノ教室に、今は僕の息子と娘が通っている。そう考えると言葉では表せないぐらいに感慨深いですし、なにより30年間ピアノ教室を続けている先生がすごい!

個人のピアノ教室といっても、いろんなスタイルがあると思うんですね。
子供に対しても厳格に教える教室もあれば、子供たちがピアノを楽しめるように教える教室など、様々です。
技術的なことは割愛しますが、教室選びで一番大事なのは「先生の柔軟性」だと考えています。
子供がピアノを習うことについて、親がどれぐらいのビジョンをもっているのかを把握し、子供の性格や実力を考慮しながら、最も適したレッスンを行ってくれる教室、というのが理想だと思います。
自分の指導方針についてこれない子供たちについて、つい苛立ち、子供に無言のプレッシャーを与えている先生たちも意外と多いんですよ。僕が聞いた話だと。

また発表会には積極的に参加しましょう!
子供とはいえ恥はかきたくないので、頑張って練習します(笑)

ピアノ男子よ!頑張って続けよう!

子供に力がついてピアノを弾くことが楽しくなるまでは、とにかく親のバックアップが不可欠です。
親がピアノを弾ける必要はありませんよ。ただ隣で子供たちのレッスンを見てあげてください。隣に座るのが難しくても、しっかり練習時間をカウントして、親がレッスンに関与していることを子供に伝えてあげて欲しいのです。
特に男の子の場合、他にやりたいことがたくさんあるでしょう。
ちゃんと子供によりそって、一緒に習い事を続けさせてあげてくださいね。

もちろん、自分の家庭にあった練習方法を見つけてもらえるのが一番です。
例えば、親に見てたら伸び伸び弾けない、って子供もいるでしょうし、中には放っておいても1時間以上練習しちゃって、逆に心配!って子供もいるでしょうし、あくまでも僕がお伝えした内容は、一般論としてお聞きください。
子供には自分で練習する習慣をつけさなければいけない、という意見についても一理あると思います。
ただし子供はそんなに甘くないですが!

ピアノが弾けるって、素晴らしいことです。
僕も明日から野球中継をみたい気持ちをぐっとこらえて、スパルタ開始!

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