子供たちは僕の一番のファン、だから僕も子供たちの一番のファン。波岡一喜さんインタビュー

jiikが「育児」をテーマに各界の著名人にインタビューを行う「jiikインタビュー」。記念すべき第一回目のゲストは、ドラマ「火花」での熱演が印象的な、俳優の波岡一喜さんです。

又吉直樹氏が芥川賞を受賞した『火花』。
Netflix(ネットフリックス)でドラマが放送され、2017年2月26日からはNHKでの放送が開始されました。
そのドラマ『火花』の中で、主人公が憧れる天才的で破滅的な芸人・神谷役を演じたのが、俳優の波岡一喜さんです。

私生活では、三人の子どもたちを育てるパパの波岡さん。jiikでは、波岡さんのお仕事に対する意識や、ご自身の子育てに関してお話を伺ってきました!

できようができまいが、頑張ったことに対してはしっかりと褒めてあげる

――お子さんが成長するにつれ、波岡さんご自身に何か変化はありましたか?

よく涙脆くなるって言うじゃないですか。
やっぱり僕もそうですね。世間の情勢にしたって、映画やテレビにしたって、何でも自分の父親としての立場に置き換えてしまうというか。

それに父親としてしっかりしなくちゃと思うようになりましたね。
僕本当に駄目人間だったんですよ。赤信号も無視して平気で渡っちゃうような。
でも今絶対守りますからね(笑)
他に信号無視している人や、歩きタバコしている人を見ると、マナー悪いなーって。自分にもすごく厳しくなりました。

――お子さんといる時間は多いですか?

僕は基本的に家にいるのが好きなので、
仕事が無い日は、ほとんど家にいるんですよ。
昨日も娘をスイミング教室に連れて行って「がんばれよー!」って。
うちは子供二人とも、習いごとをたくさんしているので、自分の手が空いているときは、なるべく妻と分担して連れて行くようにしています。

――教育熱心なんですね!

熱心です!(笑)
2年生の娘にも、二桁のかけ算を覚えさせていますから。これ今覚えたら絶対楽だからって、表もしっかり作ってあげて。

――すごい!嫌がらずにやるんですか?

一緒に頑張ろうってスタイルでやっています。
できようができまいが、頑張ったことに対しては、しっかりと褒めてあげるようにしていますね。
でも、けっこう厳しくなってしまうことも多くて、例えば娘がピアノの練習で途中でつまってしまったら、「はい最初からやり直しー」って感じで。
「もうパパとピアノやるのイヤだ!」ってなるときもしばしばです。

でも練習や勉強というのは、
毎日少しずつでも続けるのが大事だと思うんですよ。
僕の妻が小さい頃からバレエを続けてきた影響で、
森下洋子さん(バレリーナ)の、

「1日休めば自分に分かり、
2日休めば仲間に分かり、
3日休めば観客に分かる」

という言葉をとても大事にしているんです。
だから家でも、子供たちに対してその言葉通り、きっちりと実践していますね。
僕もその姿勢には大賛成です。

jiik子供インタビュー!

Jiik子供インタビュー① りう君(9歳)
――僕はテストとか、あまりよく覚えられないんですけど、どうしたら長い台詞を覚えられるんですか?

例えばお兄ちゃんが、いやおっさんがさ(笑)
台詞が書いてある紙をパラーっと見て「はい全部覚えた!」っていうのは絶対にできなくて、みんな、覚えよう覚えようってたくさん時間をかけて覚えるでしょ。
おっさんの仕事はお芝居することなんだけど、
そのときに台詞を覚えていないってことは、君たちが学校でテストするのに鉛筆を持ってないようなものなのね。
だから覚えられないんじゃなくて、「覚えるまでやる」ってことなんだよね。
1時間かかっても2時間かかっても、覚えられるまでやる!
そうやって、学校のテストで良い点とったらカッコいいじゃん。
おっさんはカッコいいと思ってたから、しっかり勉強してたよ(笑)

Jiik子供インタビュー② りお君(6歳)
――僕はサッカー選手(ゴールキーパー)になりたいんですけど、波岡さんが俳優になりたいと思ったのはいつですか?

それちょうど二日前に娘にも聞かれたなあ。
パパいつから俳優になろうって思ったの?って。
これはちゃんと答えなきゃと思って、言葉を選びながら話したんだ。

「パパが昔テレビを見ていて、そのテレビの中がすごく面白そうで、
その中の世界に行きたいと思ったから、16歳の頃からずっと演技の勉強を続けてきたんだよ。ずっと諦めないでやってきて、今も好きな仕事ができて、パパ楽しいよ」って。

さっきの話じゃないけど、俳優になれるまでやったんだよね。
だから今は「サッカー選手になれないんじゃないか…」って考える必要は無くて、「絶対になれる」と思って練習を続けることが大事だよ。
魚になれる!って思ってもなれないけどさ(笑)
サッカー選手になれる!って思って頑張ったら、きっとなれるよ。

Jiik子供インタビューに真剣に答えてくれた波岡さん。
大人が聞いても「深い!」と思うお話を、ありがとうございました!

まだまだインタビューは続きます!

主役を射止められなかった悔しさを味わうのも良い経験

――最近の保育園・幼稚園のお遊戯では、主役が複数人いる場合もありますよね。そのことについて、俳優として波岡さんはどう思いますか?

お子さんがいて、その親がいて、いろいろ配慮しなくてはいけないというのは十分わかります。やっぱり僕も自分の子供が主役だったら、ビデオカメラの撮影にも気合いが入りますよ。
主役の人数以外に、台詞の配分についても、主役とそれ以外の役とで差が出ないように、先生方がずいぶん調整されていますよね

でも個人的には、そこで主役を射止められなかった悔しさを味わうのも、子供にとっては良い経験だと思います。
仮に自分の子供が、木の役とか草の役とか、台詞が極端に少ない役を任されたとしても、特に励ます必要なんてない。
「いいーじゃん木で!何がダメなんだよ」ってね。

――ご自身の場合、やっぱり台詞が多い方が嬉しいですか?

それこそ昔は、台詞の数=自分の評価、のように考えていたので、台詞の数に一喜一憂していましたが、最近になって、演技で求められているのは必ずしも台詞だけではないと感じます。
表情や仕草だけで、存在感のある役もやってみたいと思いますし。
まあ単純に台詞の量が多くて大変って場合もありますが(笑)

――最後の質問になります。
子供にとって父親とは、どういう存在でしょうか。波岡さんの考える父親像を聞かせてください。

勉強や習いごとをさせているのは、子供たちが、いざ自分の道を進むときのために、地力を備えさせてあげたいということであって、子供の進む道について逐一、親がどうこういうべきではないと思っています。
少し前までは、もし子供が自分と同じ芝居の世界に入りたいと言ったら嫌だな、と思っていたんですが、子供が自分で決めた道なら、しっかり認めて応援してあげるのが親だろうと思うようになりましたね。

自分が芝居の仕事をしているからかも知れませんが、
子供たちは僕の一番のファンなんですね。
いつでも無条件で応援してくれる。
また、僕も子供たちの一番のファンなんです。
何をやっても全力で応援してあげたい。
その信頼関係を作るのが、父親として一番大切なことだと思っています。

インタビューを終えて

俳優の仕事と同様に、私生活でも真摯に子供と向き合っている波岡さんの言葉の節々には、父親としての偽りのない気持ちが溢れていました。
これからも、一番のファンである子供たちに応援されながら、ますますの活躍を祈っております!

波岡一喜さんプロフィール

波岡一喜 (なみおか かずき)
1978年、大阪府生まれ
映画「パッチギ!」(05)で デビュー以来、映画・ドラマ・舞台と幅広いジャンルで活躍。
主な出演作品に映画『クローズZERO』 シリーズ(07・09)、 『SPACE BATTLESHIPヤマト』(10)、『探偵はBARにいる』シリーズ(11・13)、『ベイブルース~25歳と364日~』(14)、また『遺留捜査』『ごちそうさん』などの連続ドラマや、最近では『仮面ライダー鎧武』にも<シド役>としてレギュラー出演。
最近では映画『図書館戦争』や、メ~テレのドラマ『三人兄弟』、BSスカパーのドラマ『恋の時価総額』など。
また、連続ドラマ「火花」(第153回芥川龍之介賞受賞作 / 又吉直樹著)への出演が決定。

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