はじめて子供と将棋会館道場に行ったら、いろいろ感情を揺さぶられた話。

皆さんは千駄ヶ谷にある東京・将棋会館道場にいったことがありますか?将棋好きな老若男女が集まり真剣勝負を繰り広げる将棋会館道場に、息子と二人で行ってきました!

頭を使う勝負の代名詞「将棋」

日本が誇る盤上の勝負「将棋」。
男子であれば、駒の動かし方ぐらいは知ってるって人も多いのではないでしょうか。

永世棋聖の米長邦雄にまつわる、

「兄たちはバカだったから東大へ行った」

という逸話にも表されるように、将棋の強さは頭の良さと同一に語られることが多いです。
事実トップレベルの棋士は、先人によってすでに確立された無数の定跡を頭に叩き込み、数手先までを読んで勝負を繰り広げます。

一方、将棋は真剣勝負ですが、身体能力を必要としません。よって、小さな子供でも十分強くなることができます。
長い間、プロ入り最年少記録は、加藤一二三・九段の14歳と7ヶ月という記録でしたが、最近ではご存知、藤井聡太プロがその記録を塗り替え、快進撃を続けています。

子供の脳はすごいんだから!

我が家でも息子が小学生にあがる少し前に、

「偉そうにしたい」

という私の不純な動機から、将棋盤を購入し、息子にルールを教えました。
マンガで描かれた子供用の将棋入門書も与えると、こっちもびっくりするスピードでルールを覚えていきます。
特別うちの息子のデキがいいというわけではなく、全般的に子供たちの習得スピードは早いのです。
それこそ砂に水が染みていくように、将棋を吸収しますよ。

もちろん個人差はあるはずです。
能力面というより、他にもっと好きなことがあれば、興味は持続しないかもしれませんね。
無理強いはよくないですが、それでもゲーム感覚で親が付き合ってあげれば、わんぱくな表情を浮かべて向かってきます。

子供はすぐに強くなるんだから!

昔ちょっとかじった程度の私が負ける日は、すぐに訪れました。

親が有段者ならともかく、
子供がそれなりに指せるようになると、もはや親子の対局で子供の将棋を伸ばす術はありません。
僕の場合は、仕事などで息子の将棋に付き合ってあげられないことが増え、なおかつ戦術的な指南もできないという点に、限界を感じました。

やがて息子は、
僕が日頃からボロ負けしている将棋アプリ「将棋ウォーズ」を楽しむようになりました。

将棋ウォーズ【日本将棋連盟公認】紹介ページ 将棋ゲームなら将棋ウォーズ

将棋連盟公式のアプリなので、とても面白くてよくできているのですが、やはり実戦とは真剣味が違うし、何より子供がスマホやタブレットで将棋を楽しむ姿にはめちゃくちゃ違和感を覚えます。
何かよい方法はないかと、近所の将棋教室や道場を検索した結果、近所ではないのですが、千駄ヶ谷の将棋会館道場には子供も含め、たくさんの将棋好きが集まっているという情報を得ました。

さっそく将棋会館に行っちゃうんだから!

息子に将棋会館道場行ってみる?って聞くと、うんうん!と目を輝かせるので、さっそく連れて行くことにしました。

将棋会館には、日本将棋連盟の本部があります。
女流棋士の公式戦も行われ、メディア用の撮影もここにあるスタジオで行われるなど、いわば日本将棋連盟の総本山。
最寄り駅の千駄ヶ谷の改札はひとつしかないので、駅を背にして直線に伸びる道を歩いていけば、おおよそ7分ぐらいで到着します。

記念にパシャリ。
歴史を感じる外観です。
将棋会館の建築には、あの吉永小百合さんが多額の寄付をしたそうですね。

二階の道場に上がると、
すげえ人!まさに老若男女!

受付に特別な手続きはなく、道場の利用料金800円(土日利用)を支払って、さっそく対局開始する流れに。
もう?!早くない?!
心の準備ができていないのは僕だけのようで、息子はスタスタと歩いていってしまいました。

いきなり対局です。
そしていきなり敗北。
この敗北で、息子はこの道場で一番低い15級と認定され、ここから頑張って級をあげていくということになります。
ちなみに昇級する仕組みは以下の通り。

上級者とやるときは、実力のある方が駒を落として(例えば飛車や角を使わない)対局する仕組みです。

三連勝って難しいんじゃねえか…
今日は全敗の可能性もあるな…
息子の心のケアが大変だな…

こんなことばっかり考えて、こちらがドキドキしてしまうので、息子が対局している間は、将棋会館をウロウロすることにしました。

東京・将棋会館の1Fには、将棋関連の書籍や、将棋盤、将棋駒などが販売されており、将棋連盟オフィシャルのグッズなども幅広く並んでいました。

棒銀最強、加藤一二三 九段。
アウトオブデラックスの出演で、将棋ファン以外にも広く知られるようになりましたよね。
その他にも特徴をつかんだグッズが並んでいます。

にっ… 二百九十五万二千円?!!!
息子が本気ならしっかりしたものを買ってやらないとなあ、って思った1秒前の自分を引っ叩きたい!!

この日の結果は…

1Fに降りてきてけっこう時間が経っていたので、息子の元へと戻りました。
表情を見る限り、どうも芳しくない模様。
それでも余計なストレスは与えまいと、遠くから見守るスタイルを崩さないで、息子が帰ってくるのを待ちました。

ようやく息子が戻ってきたので、結果を聞いてみると、ブスーっと不貞腐れながら、

「6回勝って4回負けた」

と、全敗を想定していた僕の予想を裏切る結果!
6勝?!まあまあ勝っとるやんけ!!
しかし、息子はこの日の昇格はならず。つまり、

×○○×○○×○○×

のように、2連勝して1敗するのを3回続けてしまったのです。昇級には3連勝が必要なため、今日はその条件を満たせず。

トイレについていくと、
鏡に映った自分の顔を、ものすごい形相で睨んでいる息子。
2連勝しておきながら肝心なところで、しかも3度も負けてしまった己の不甲斐なさに、体がワナワナと震えているようです。

(やだ…かっこいい…)

小学二年生にして、この真剣勝負。
僕は自分が小学二年生だった頃を思い出し、そして考えるのをやめました。あまりにもロクな思い出がなかったからです。
年代を超えた真剣勝負ができる将棋。恐るべし。

そして再度、将棋会館道場へ!

息子は相当悔しかったようで、
数日後の学校帰りに、再度将棋会館へ連れて行くことになりました。
この日は平日だったので、子供の数は少なめ。ほとんどが年配の方でしたね。

武市三郎・七段の解説に聞き入る息子。
次の一手を七段が周囲の人に聞きながら進めるのですが、それをボーッと見ていた僕が、

「そこのニット帽のお兄さん、どう?」

と指されてしまい、瞬時に「パァス!!」と答えた姿は、きっとめちゃくちゃカッコ悪かったことでしょう。

主婦の方との対戦にはかろうじて勝利。
しかし、その方の息子さんにメッタ打ちを食らうという展開(笑)
その子は5年生ぐらいだったんですけど、

「ここをこうすれば、僕が負けてたかなー。次同じような場面が出てきたら気をつけてね」

と、対局後の感想戦で息子に優しくアドバイス。
それを、うんうんと真剣な眼差しで聞く息子。なにこの胸熱なコミュニケーション。

髪の長いイケメンなお兄さんも上級者でしたが、駒落ちのハンデを突く将棋でなんとか勝利。
そして閉館ギリギリの21時までやり続けた結果…

15級→14級→13級へと、見事昇級!

めちゃくちゃ嬉しそうな子供の顔をみると、こちらの疲れも吹っ飛びます。
なにが疲れるって、
待合室で5時間も待ってみなさいよ!たいていの大人はグロッキーだよ!
次回からは電源フル装備で、近くのSUBWAYかドトールで仕事しようと思います。

将棋会館道場は、将棋と心の鍛錬の場。

それからというもの、
土日や平日の仕事終わりに時間ができたら、子供を将棋会館に連れて行っております。
トントン拍子で昇級しているというわけではありませんが、ボチボチ階段を上っているようです。

先述した通り、本当に幅広い年齢層の人が、真剣に将棋を打っています。
70歳だろうが6歳に負ける、
見方を変えれば、超実力主義な世界が繰り広げられているのです。

通い始めて3回目ぐらいのときでしょうか。
帰る約束の19時を前にして、息子が連敗したんですね。煮え切らなかったのか、勝つまで帰らない!と言いだしまして。
するとそれを見ていたオジさんが、

「負けを受け入れて出直そう。頭切り替える練習も必要だよ」

って、父親の僕を差し置いて、めちゃくちゃカッコいい言葉で息子を諭すんですね。
とても暖かい気持ちになりました。

将棋に限らず、勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。この感情がなければ勝負じゃありません。
千駄ヶ谷の将棋会館道場だけではなく、お近くにも将棋道場はあるはずなので、お子さんが興味を持ったら、ぜひ道場に連れて行ってあげてください。
きっと心の強い子供に育つでしょう!

千駄ヶ谷の将棋会館道場主催の将棋スクール紹介ページです。
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